お金は寝かせて増やしなさい

インデックス投資

要約【インデックス投資の教科書】お金は寝かせて増やしなさい/水瀬ケンイチ

2021-10-05

 

お金は寝かせて増やしなさい
水瀬ケンイチ

 

こんな方におすすめ

  • これから投資をはじめてみたい方
  • インデックス投資について網羅的に学びたい方
  • 既にインデックス投資をやっていて、続けるコツを知りたい・出口戦略を考えたい方
  • 筆者の15年の実践記を読みたい方

 

・インデックス投資で積み立て投資して長期保有

・リスク許容度と資産配分

・退場しないための心構え

・出口に向けて

 

Contents

お金を寝かせて増やす=インデックス投資で積み立て投資して長期保有すること

 

インデックス投資をすすめする3つの理由

①手間がかからない
②世界では当たり前のスタンダードな投資方法
③日常生活に役立つお金の基礎知識が身につく

理由①:手間がかからない

投資と聞いて思い浮かべるのは、

・パソコンを5台くらい駆使して、瞬時に変わる数字と睨めっこ
・100万円とかないと始められない
・素人が手を出すと大損する、、、

 

実際インデックス投資は、

・銘柄選定しない=具体的な企業を自分で選ばなくていい
・投資タイミングもはからない=いつ買っても問題なし

 

世界中の株や債券に分散したインデックスファンドを、

毎月同じ金額で買い続けて、あとは放っておく。

 

理由②:世界では当たり前のスタンダードな投資方法

アメリカ人の奥様でも普通にやっている方法。

日本の公的年金の運用もインデックス投資がメイン。

 

理由③:日常生活に役立つお金の基礎知識が身につく

お金の基礎知識のひとつとして、日常生活にとても役立つ

「投資信託って?」「リスク?リターン?」「確実に年利10%?!」「10年で10倍!!」

 

インデックスファンド=「投資信託」の一種

 

インデックス投資とは「世界中に分散したインデックスファンドを積み立て投資して長期保有する」こと。

インデックスファンドは、「投資信託」という金融商品の一種。

 

そもそも投資信託とはなにか。

投資信託とは

私たちから集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめて、運用のプロが株式や債券に投資・運用する金融商品のこと。

 

投資信託の運用先は株式や債券。

 

株式や債券の価格変動によって、投資信託の価格(基準価格)が変動する。

運用がうまくいけば値上がりしてり利益を得られる。
一方運用がうまくいかなければ、値下がりして損をすることもある。

投資信託は元本が保証されている商品ではない。

 

投資信託のメリット

①小額から購入できる
②たくさんの銘柄の株式や債券に分散投資ができる
③金融機関が破綻しても資金が守られている

 

メリット①:小額から購入できる

日本では100円から投資信託を始められる。そんな国はそうそうない。

 

メリット②:たくさんの銘柄の株式や債券に分散投資ができる

投資信託は、多くの銘柄や投資しにくい国や地域にも分散投資できる。

また株式だけでなく、債券、不動産など複数にまたがる資産クラスに分散投資できる。

インデックス投資においては
資産クラスの中でも、市場規模が大きい株式と債券を中心に分散投資するのが基本となる。

 

メリット③:金融機関が破綻しても資金が守られている

投資信託は

・販売会社
・運用会社
・信託銀行

の3つの金融機関が関わるが、どこがつぶれても自分の資産には影響しない。

 

 

投資信託のデメリット

➀もっているだけで手数料がかかる
②すぐに大儲けはできない

 

デメリット➀:もっているだけで手数料がかかる

投資信託にかかる手数料は以下の3つ

⑴購入時手数料        =投資商品を買うときにかかる手数料
⑵運用管理費用(信託報酬)  =お金の運用代金
⑶信託財産留保額       =投資信託を換金するときにかかる手数料

⑵運用管理費用(信託報酬)は、投資信託をもっているだけでかかる。

(1)(3) は一時的な手数料なので、長期で保有すると影響を薄めることができる。
またそもそも(1)(3)の手数料がかからない商品がある。

 

そのためインデックス投資では
⑵運用管理費用(信託報酬)ができるだけ低い投資信託を選ぶことがとても重要。

 

デメリット②:すぐに大儲けはできない

「分散効果」の裏返しで、価格の上昇・下落が緩やか。

よって一発逆転するような大儲けには向かない。

大きな利益を上げるためには何十年といった長い時間がかかるが、
時間をかけるほどに着実に資産形成することができる。しかもほとんど手間をかけずに!

 

投資信託の種類は大きく分けて2種類

 

・インデックスファンド
・アクティブファンド

 

インデックスファンド

各種指数(インデックス)に連動する運用効果をめざす投資信託。

インデックスとは、特定のマーケット(株式の市場や、債権の市場)の動向を表す指標のこと。

 

株式インデックスとは株式市場全体の動向(=市場平均)を表す。

代表的なものは、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)、MSCIコクサイなど

債券市場のインデックス・・・野村BPIなど

 

国内外の株式・債券・不動産など主要な各資産クラスには、それぞれインデックスがある。

 

アクティブファンド

インデックスファンドを上回る運用成果が得られるように、
専門家が投資先や売買のタイミングを判断して運用を行う投資信託のこと。

 

アクティブファンドのほとんどがインデックスファンドに負けてしまう

「アクティブファンド」のほうが「インデックスファンド」よりも儲かりそうな気がしませんか?

 

しかし実際の結果を見てみると、インデックスファンドが圧倒的に良い運用成果を上げている。

アクティブファンドの70~80%はインデックスファンドに負けている。これは世界的に同じ傾向になっている。

 

なぜか?  原因は手数料=運用管理費用(信託報酬)の違い。

運用管理費用(信託報酬)
インデックスファンド・・・0.18%
アクティブファンド・・・・1.53%

8.5倍もの手数料が毎日毎日抜き取られている。

 

ひたすら積み立てて寝かせておく投資の実践方法

・毎月
・投資信託のインデックスファンドの同じ商品を
・同じ金額分購入する

 

毎月同じ商品を購入するので、購入価格が平準化される。(ドルコスト平均法)

 

市場が最高値のときにまとめて投資してしまうことや、最安値のときに買い損ねてしまうことを避けることができる。
また市場が変動していくなかで毎月一定金額で購入するため、

株価が
・高いときには少ない量を買い
・低いときには多く買うことになる。

そのため平均購入金額を下げることができる。

 

株に対して売ったり買ったりというイメージがあるかもしれないが、
この投資方法は同じ商品を積み立てて購入し、ずっと保有することを目的とする。

 

つまり、寝かせて増やす。

 

 

インデックス投資の実践方法

 

実際にインデックス投資を始める前に確認すべきこと、考えておくべきこと。

 

手順まとめ

➀家計の状態を把握する

②生活防衛資金を貯める(貯金しながら投資をはじめてもOK)

③自分の「リスク許容度」を把握する

④資産配分を決める

⑤ネット証券で口座開設

⑥決めた投資商品に毎月1回積み立てて寝かせるだけ

⑦年1回リバランス

 

毎日株価チャートとにらめっこする必要もなければ
決算短信や有価証券報告書を読み込む必要もまったくない。

 

インデックス投資を始める前に、最低限しなくてはいけないこと

➀家計の状態を把握すること

おおまかにでも1か月分の生活費を把握しておく。

支出(毎月の生活費)が収入を上回っている状態で投資はできない。

 

②生活防衛資金を貯める

生活防衛資金・・・リストラ・長期入院・災害など何が起きても自分と家族の生活をしっかり守れるだけのお金のこと。

目安としては「生活費の2年分」を銀行預金など流動性の高い金融商品で確保することが望ましい。

 

例:月20万円で暮らしている世帯が必要な生活防衛資金は480万(20万円✕24ヶ月)。
節約して月15万で暮らせるようになれば360万を確保していればよい。

 

生活防衛資金は私たちの生活を守ってくれるだけでなく、心の安定も守ってくれる。
万が一、株価が暴落しても2年は生活に困ることはない。その間になんとかできる。

 

③リスク許容度を知る

インデックス投資においていちばん大切なことは、自分のリスク許容度を知ること。

 

リスク許容度=年間に資産運用で発生する損失を、との程度受け入れられるかの度合い。

 

つまり最悪の事態が起こったときに、どれくらいのマイナスまで受け入れられるか。
このマイナスは「%=率」で表したり、「〇〇円=額」で表したりする。

 

あなたの100万円が1年間でいくらまで減ることを受け入れられますか?

A. 1円も減らしたくない
B. 5万円までなら
C. 50万円までなら
D. 0円になっても気にならない

このリスク許容度は、自分で考え自分で決めなければいけない。

 

リスク許容度の確認方法

①年間の貯蓄可能金額の範囲内であるかどうか

収入−支出=貯蓄可能金額

年間で50万貯めることができるとわかれば、50万マイナスになっても1年で取り返せる!といった具合

 

②公的年金を運用するGPIFが負っているリスクを参考にしてみる

私たちの公的年金も資産運用されている。

国民の老後資金の基礎となる年金の運用は、大きく減らしてしまうことが許されないので
学者や金融業界のプロができるだけ安全にかつ効率的に行われていると考えられる。

年金は絶対にゼロになってはいけないお金
=比較的安全なレベルのリスクをとっているのでは?

 

2016年のデータでは、年間12.2%のリスクをとっている

金融の世界では年間リスクの2倍の損失を見ておけば最悪のケースに備えられると考えている
12.2%×2=24.4% 約25%の損失を覚悟しておけばいい。100万運用していたら25万

 

③ぐっすり眠れるかどうか

 

リスクの言葉の意味

私たちが使うリスクの言葉の意味は「危険」「危険度」といったマイナスのイメージ。

金融の世界でリスクとは「将来の結果の不確実さ」のことを指す。

 

リスクとは、損するマイナスの可能性だけではなく、得をするプラスの可能性も指す。

振り子が右に左に振れるように、「損することもあれば得することもあるよ」という意味。

 

また「統計学」では
リスク=「将来の結果の不確実さ」を数字で表す。

「将来の結果の不確実さ」=「分散」 その度合いを「標準偏差」とよぶ

 

「標準偏差」を用いて考えると

リスク10%の投資商品は
1年後に平均値から±10%に約7割の確率で収まる かつ ±20%にほぼ95.5%の確率で収まる

平均値が1000円なら、
7割の確率で900円~1100円
9割の確率で800円~1200円になる

 

もう一つ必要となる指標が「期待リターン」

期待リターン・・・その投資対象に投資した場合に、1年後に実現する可能性がもっとも高いと考えられるリターンのこと。

期待リターンを個人が自分で算出するのは難しいので、プロが出している期待リターンの数字で代用するのが現実的。

 

分散効果はすごい

分散効果とは?

値動きが違う投資対象を組み合わせることで、リスクを下げることができる効果のこと。

違う動きが相殺されて、マイルドな値動きになる。

 

投資対象が分散されたものではなく、個別株の単一銘柄である場合
最悪のケースだと、倒産して無価値になってしまう可能性がある。

 

例:かつて保守的な銘柄の代表格であった「東京電力」だけに投資していたら、、
1株:3000円くらいで推移していて安全資産だと思われていた。
しかし2012年の東日本大震災で原子力発電所の事故で1株:120円に。
現在2021年でも回復せず300円台。。

 

この例をみてわかるとおり
集中投資を選ぶと、企業の業績や株価をつねにチェックし、状況に応じて売買する必要がある。

 

しかし投資対象が「世界経済の成長」だったら、世界全体が同時に崩壊して価値がなくなることはあり得ない。

よって、世界中に分散された株や債権のインデックスファンドこそ分散投資ができる、積み立て投資に最適だといえる。

 

最初に積み立てするインデックスファンドと金額を設定すれば、そのあとはほとんど手間がかからない

投資のタイミング(安いときに買って、高いときに売る)を見極めるのはプロでも難しい。

少額でたくさんの銘柄に分散投資できて、
制度的にも手厚く守られている初心者向きの金融商品である投資信託。

その中から、手数料が低いインデックスファンドを選び、それを毎月積み立ててホールドする。

それが「ウォール街のランダム・ウォーカー」が40年前から推奨する世界標準のスタンダードな投資法。

 

インデックス=「市場平均」
株の市場平均であったり、債券の市場平均であったり、何十~何千銘柄の平均値。
平均なので、高いものも安いものも含まれているからすでに分散されている。

さらに、国内、先進国、新興国など、資産クラスにおいても分散されている。

 

つまりインデックス投資は「分散効果」を最大限に活用した投資方法である。

 

資産配分次第で、投資の結果が決まってしまう。
「銘柄選択」よりも「投資タイミング」よりも資産配分が重要

世界経済の成長の恩恵にあずかろうという資産運用の中心は株式と債券。

株式クラスと債券クラスという
値動きが違うアセットクラスを組み合わせると分散効果が働く。

期待リターンが下がらないにもかかわらずリスクが下がる。

 

投資すべきインデックスファンドはずばり3本!

※2017年11月時点

○三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド
○eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
○ニッセイ新興国株式インデックスファンド

 

また
・細かい銘柄情報に振り回されたくない
・できるだけ手間をかけたくない
なら、コスト面は割り切り
日本・先進国・新興国株式すべてに1本で投資できる「全世界株式」クラスのインデックスファンド1本に投資してしまう手もある。

○楽天・全世界株式インデックス・ファンド

 

国内債券のインデックスファンドはどれが良いの?

ベターなのは以下

○個人向け国債 変動10年
○ネット銀行の定期預金

あとはひたすら積み立てて寝かせて増やすだけ!

 

年に1回だけリバランス

リバランス=運用していく中で崩れてきた資産配分を所定の比率に戻す作業。

資産配分が崩れたままだと、知らないうちに過剰なリスクをとってしまう恐れがある。

具体的には、
自分が決めた資産配分と比べて
比率が大きくなりすぎた資産クラスのインデックスファンドを売って、
小さくなりすぎた資産クラスのインデックスファンドを買う。

 

資産配分を決定する「2通りの方法」

➀「世界市場ポートフォリオ」という考え方

世界各国の株式時価総額と同じ比率で、資産配分を作る方法。

「現代ポートフォリオ理論」に基いており、インデックス投資家のなかにも信奉者が多い。

今だったら
「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」のポートフォリオが、
国内株式・先進国株式・新興国株式を含めた世界市場ポートフォリオそのもの。

概算で、国内株式:先進国株式:新興国株式 = 1:8:1

②「有効フロンティア」という考え方

資産クラスのリスク・期待リターン・相関係数から、リスクあたりのリターンかもっとも大きい組み合わせを計算する方法。

自分のリスク許容度の範囲内で、気に入ったリターンとリスクの組み合わせを決めていく。

 

おすすめ金融機関&気になるNISAとiDeCo

 

おすすめの金融機関はネット証券

SBI証券か楽天証券かの2択。

 

NISAかつみたてNISAかiDeCoか

これからインデックス投資をはじめる場合、可能ならば優先順位としては
iDeCo ⇒ つみたてNISA ⇒ NISA となる。

資産運用の終盤になれば、保有資産全体に占める非課税口座の割合は「ごく一部」になると想像する。

 

はじめるのは簡単だけど、続けるのは難しい

実際やってみると、
ただインデックスファンドを買って、じっと待っていることが意外と大変。

自分のお金が増えたり減ったりする。
(しかし売却しないと儲けも損も確定していない)

 

何年か積み立て続け投資金額全体が大きくなってくると、日々の騰落の差も大きくなる。
今日は3万も儲かった! 今日は5万も損をした。。。

 

ニュースでは
円高になった、どこかの国でテロがあった、どこぞの企業の経営がピンチ、、、
いま売った方が儲かるのでは? 今は買い増しのチャンスなのでは? と心が動く。

 

「100年に1度」といわれたリーマンショックのときは、
米国株式市場が直近のピーク時(2007年10月)から大底(2009年3月)までに55%もの下落をした。

 

もしそのような大暴落にあってしまったとき、
目の前で自分の資産がどんどん溶けて目減りしていくのを見ながら
果たしてあなたは積み立てを続けられますか?

 

インデックス投資の本質部分が腹に落ちていないと、
人は少しの損失であわてふためき、怖くなってすぐに売却してしまい、
結局はインデックス投資を継続できなくなってしまうことをリーマンショックのときに痛いほど実感した。

 

インデックス投資のよりどころ

米国で1801年に株に投資した1ドルは、200年後に何倍になってるか?

約700,000倍 70万倍!

しかもインフレ率を引いた実質トータルリターンで!

 

この200年には第一次、第二次世界大戦や史上最大規模の世界的株価大暴落であるブラックマンデーなどが起こっている。

一方でキャッシュ(米ドル)は200年間で20分の1に減ってしまった。
インフレのせいだが、株式のリスクを恐れるあまりキャッシュを長期で貯め込んでいるとこんな結果に。

 

「複利」の力

お金の増え方の計算には単利と複利の2つがある。

単利=利息を元金に組み入れずに計算する方式
複利=一定期間ごとに支払われる利息を元金に組み入れて計算する方法

例:仮に毎年5%増える金融商品があったとする

単利の場合
投資元金 100万円
1年後 100万円+(100万円✕5%)=105万
2年後 105万円+(100万円✕5%)=110万
3年後 110万円+(100万円✕5%)=115万
10年後 145万円+(100万円✕5%)=150万
100年後 595万円+(100万円✕5%)=600万

複利の場合
投資元金 100万円
1年後 100万円✕105%=105万
2年後 105万円✕105%=110万
3年後 110万円✕105%=116万
10年後 155万円✕105%=163万
100年後 1億2524万円✕105%=1億3150万円

複利の場合、単利と比べて少しずつリターンが大きくなっていることがわかる。

1~3年だと小さな差だが、時間が経つにつれて元金は雪だるま式に大きくなっていき
10年、100年という長期間がたつと途方もなく大きくなる。
長い運用期間の後半にこそ複利の力が効いてくる。

このことから、サクッと短期で成果がでるようなものではない。

 

プロが銘柄選定と投資タイミングを図って売買しても、70~80%は市場平均にすら勝てないという現実がいかに難しいかを雄弁に語っている。

しかし、長期となると話は別。
長期なら、「平均回帰性」という力の後押しを受けられる。

平均回帰性・・・短期的にはランダムに発生しているように見える事象であっても、長期的には平均値に収束していく性質のこと。

例:さいころのでる目の確率は6分の1
10回くらいの試行回数だと、6.6.5.6.3.2.1 みたいに6が多いとなるけど、1万回、10万回と振ると理論的な発生確率に収束していく。

 

過去の株価の圧倒的な右肩上がりは資本主義経済の拡大再生産によるもの。
そのエンジンが人々の「豊かになりたい」という尽きることのない欲望であることが、今後も拡大再生産が続いていく根拠であり、インデックス投資のよりどころとなる。

 

インデックス投資は一般的なイメージとちょっと違う考え方

インデックス投資を継続するにあたっての、気になるであろうポイントと考え方。

・銘柄を選ばなくても儲かる
・タイミングを図った投資をせずにバイ&ホールド(買ってもっておく)
・買いたくないときにも買う
・売りたくなっても売らない

相場が大暴落したらどうする

過去に何度も大暴落があった。
今後も大暴落は起こる。

大暴落の直前まで投資を続けて、大暴落が来る直前に一気に売却
相場の底で一気に買い戻して、一番高いところで売り抜ける

プロが銘柄選定と投資タイミングを図って売買しても、70~80%は市場平均(インデックスファンド)にすら勝てないという現実。

あなたにできますか?

 

大暴落はほとんど誰にも避けられない。

 

大暴落への備え

対策

・ポートフォリオのリスク水準を自分のリスク許容度の範囲内に抑えた資産配分にしておくこと。
そしてこの確認は、株価が好調の時に行うこと。暴落してからやったら被害が拡大するかも。

・市場にとどまり続け、相場の回復を待つ

・積み立て投資を続けることができれば、暴落中、暴落後は「絶好の買い場」となり得る。

 

売りたくなったときにふれるべき言葉➀

マーケットタイミング型の投資家が、バイ&ホールド型の投資家のパフォーマンスを上回るためには、70%の確率でマーケットタイミングについて正しい判断を下さなければならない
イチローでも3割、、、

 

売りたくなったときにふれるべき言葉②

健全な長期投資においては、直感こそが敵であり、理性こそが友である。

プロスペクト理論によると、人間は利益より損失に強く反応する心のゆがみがあり、特にプラスマイナスゼロ付近でその傾向が顕著にでることがわかっている。

 

売りたくなったときにふれるべき言葉③

資本主義は、

企業の成長・生産性・豊かな資源・革新を通じて富をもたらし、その所有者たる投資家にとってはプラスサムゲームを提供する。

 

インデックス投資を15年実践してわかったこと

米国においては当たり前のインデックス投資だが、日本の個人投資家にとっては比較的新しい投資法。

10年以上の長期経験者がまだあまりいない。

この15年のあいだには、
・リーマン・ショック
・東日本大震災
など歴史的な大暴落が起こった。

 

相場の天国と地獄を経験して、わかったこと3つ。

➀最悪の事態の想定は「厳しめ」に見積もるべきだった

リーマンショックの年に1年で▲53.6%という下落を記録した。

「標準偏差」を用いて考えると
リスク10%の投資商品は
1年後に平均地から±10%に約7割の確率で収まる かつ ±20%にほぼ95.5%の確率で収まる

最悪想定の5%のことが起こってしまった!
発生率がきわめて低くても、起きるときには起きる。

・最悪の事態の想定は「厳しめ」に見積もり
・自分のリスク許容度ギリギリまで投資するのではなく、資産配分を少し安全サイドに倒しておけば、
万が一最悪を超える事態になったとしても、もっと余裕を持って運用できたのではないか。

 

②相場は永遠に下がり続けることはない

国際敵に分散されたインデックスファンドの積み立て投資の投資成果は、
「100年に一度」といわれたリーマン・ショックからも
「1000年に一度」といわれた東日本大震災からも、2~3年で回復した。

 

③インデックス投資家の仕事は「売りたくなったときに我慢すること」

暴落時でも、バイ&ホールドを!

はじめに
・リスク許容度を把握し
・資産配分を決め
・インデックスファンドを選定する

そして、年に一度リバランスをする。

これさえやっておけば、あとは「売りたくなったときに我慢すること」だけ。

 

インデックス投資の終わらせ方

インデックス投資の関連本やWebページは多くなってきた。

けれど「インデックス投資の出口について書かれているもの」がほとんどない。

 

最大の理由は、投資家自身が出口戦略という言葉に「ないものねだりをしている」

インデックス投資を始めた頃は「将来の株価動向は予測不可能」と納得していたはず。

だけどいつの間にかあるはずのない「必ず儲かる方法」をさがしている。

 

「このまま投資していても、いざお金が必要な時に暴落したらどうしよう」

 

人生の後半でなるべく資産を減らさないで運用を続けるための合理的な「出口戦略」

➀投資家本人の加齢に伴う「リアロケーション」(資産配分比率の変更)

リバランス(資産配分比率)の修正とは違う。

リバランスは崩れた配分比率を元に戻すだけ。
リアロケーションは配分比率そのものを変更する。

出口戦略としては、ポートフォリオの債券比率を高めて(=株式比率を減らして)保守的な資産配分に変更する。

 

米国には「100から年齢を引いた割合で株式を持て」という教えがある。

自分が30歳であれば70%の株式を持つ。(30%の債券を持つ)

リアロケーションもリバランスと同様に、平常時、むしろ上げ相場のときにこそやるのが有利。

 

②定額ではなく、定率の取り崩し

まず大前提は、
所定の資産配分比率を崩さないように取り崩すこと。
つまり、ポートフォリオ全体と同じ資産配分でインデックスファンドなどを売却する。

バランスが崩れると、知らないうちに過大なリスクを負ってしまう。

 

定額ではなく、定率で

投資するときのことを思い出そう。

毎月定額で積み立てること(ドルコスト平均法)のメリットとして
株価が高いときには少ない量の投信を買い、株価が低いときには多くの量の投信を買うことになり、そのおかげで平均購入価格を下げることができた。

しかし取り崩しの時に定額で取り崩すとどうなるか。
例えば月5万など株価が高いときには少ない量の投信を売るのはいいが、株価が低いときには多くの量を売ることになり、運用資産の減少を加速してしまう。

株価:1株=10万  0.5株売却
株価:1株=1万  5株売却  5万欲しいから5株売ってしまう

ドルコスト平均法のメリットが、逆にデメリットとなって効いてしまう。

 

定率だと
株価が高いときには多くの投信を売り、株価が低いときには少しの投信しか売らないで済む。

 

目安として、『ウォール街のランダム・ウォーカー』では保有資産の4%を取り崩す「4%ルール」を勧めている。
考え方としては、ポートフォリオの期待リターンからインフレ率を引いた数字が年間の取り崩し比率となる。

また、なにも毎月取り崩さなくてもいい。
半年に1回とか、年に1回とかでもかまわない。
上げ相場のときにがっつり売るでもいいのでは?

 

③必要になったら必要な分だけ取り崩す

あの世にお金を持っていくことはできない。
難しく考えず、必要なときに銀行からお金をおろして使うように
必要なときに必要な分だけ運用資産を取り崩して、残りは引き続き運用を続ける。

 

リタイア直後に大暴落がきたら

思い出そう。

➀最悪の事態の想定は厳しめに見積もるべき

出口戦略➀「リアロケーション」によって、65歳のときの資産配分は十分に保守的なものになっているはず。
株式は少なく、債券が多い状態。

 

②相場が永遠に下がり続けることはない

もし65歳で大暴落がきて、も平均寿命の80歳まで15年ある。

ダメージから回復する期間は想像以上に長くある。

 

インデックス投資が長期的に成功するための原動力は「豊かになりたい」という想い

インデックス投資とは「世界中に分散したインデックスファンドを積み立て投資して長期保有することた。

 

大暴落をくらっても市場に踏みとどまり生き残ったのは、人の明るい未来を信じている「楽天家」だったように思える。

 

インデックス投資が、
「人の欲望をエンジンとした資本主義経済の長期的発展に賭ける投資法」
だと腹に落とすことができた人たちは、なかなかぶれない。

「豊かになりたい」という気持ちを見つけることができれば、それこそがインデックス投資が長期的に成功するための原動力。

 

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